2017年3月31日金曜日

【学生スタッフ体験談】プロセスが大事〜長岡 恵理

長岡 恵理

フェリス学院大学 文学部コミュニケーション学科 当時2年生

2014年度長期インターン生

インターンを始めたきっかけ

なぜNPOにインターンしに行こうかと思ったかというと、働く人というものを学生のうちに間近で見たい、と思ったからである。大学二年生でバイト先と学校を行ったり来たりする生活の中で自分は何になりたいのだろう、働くとはなんだろうと漠然と疑問に思っていた。そして、自分の中で“働くこと”を考えた時に“働く”ということは“お金を稼ぐこと”というイメージにすぎなかった。このまま大学で勉強して、いざ就活生となったら、私は企業に行くのだろうなと何となく考えていたので企業に入る前に働くことにお金を稼ぐ以外の別の理念を持って動いている人を見たいと思い非営利組織であるNPO法人でインターンをすることに決めた。

活動を体験して得られたもの

インターンの中で沢山のボランティア活動に参加して、ボランティアのイメージがガラリと変わった。今まではボランティアというと、“やってあげる”だったり、“何かをあげる”という与えるイメージであったけれどこのインターン期間を経て“一緒に何か解決方法を考えていく”だったり、“一緒に頑張る”という風な関わり方があるのだなとわかった。
インターンをする前までは、NPO法人という組織は私にとって遠い存在だったし、横浜も大学が近いから住んでいる地域という認識にしか過ぎなかったけれど、アクションポート横浜にインターンをして様々な活動を横浜でしてきて、横浜の魅力を沢山知ることが出来た
そして一番の収穫はこの活動を通して色んな人の顔が見えるようになったことであると思う。NPO法人の方、イベントで協賛してくれた企業の方、インターンさせていただいた団体さんの方。私にとって今まではぼんやりとした社会人の像がこの活動を通して多くの人とかかわってきて少し見えてきたと思う。
インターンをやっている時、事務局長について行って、育児に特化したNPO法人を訪ねたことがあった。団体の方のお話しを聞いて、利用者の人とも少しお話をして、自分が知らなかったこんな世界があるのかと衝撃を受けたのを覚えている。
例えば、私が結婚をして専業主婦になり子どもを育てるということになったとする。祖父母も近くにいない、子どものことで話したい悩みがある、となった時、近所にある育児系のNPO法人行ってみようと考えるかもしれない。でも、もし私がインターンをしていなかったらその選択肢は生まれていなかったと思う。インターンをして様々な場所に連れて行ってもらい、多くの人と出会わせてもらったことで今までの自分の選択肢の少なさや視野の狭さに気が付けた。育児系のNPO法人を訪ねてみようと思うのはインターンをしたからこそ増えた選択肢であるからだと思うからだ。


活動をして発見したこと

サンタプロジェクトというプロジェクトの中で私は学生チームのリーダーをした。当日、イベントの中で沢山の子どもたちが広場に遊びに来てくれるので学生はその子ども達と一緒になって遊べるような企画(ブース)を出した。プロジェクトの中で私が中心となって学生ブースの企画運営を担当したのだが、それがとても大変だった。まず、学生ブースの企画を一緒に作っていってくれる学生を広報したり呼びかけたりして集めようとしたのだがなかなか人数が集まらなかった。自分がやっている活動について最初はなかなか友達に言えなかったり上手く魅力を伝えられなかったりと少しもどかしい気持ちになったりもした。
横浜サンタプロジェクト自体は今年で6回目になりイベントとしての規模もかなり多くなっていたが、私にとっては初めてのイベントであったのでまずどういうことをやるのか、形式的なものはわかっていても実際のところは分からなかった。しかし、学生ブースのリーダーであるので企画会議に来てくれた学生にイベントについて詳しく話さなければならなかったし分かっていなければならないという思いが強く、上手くできていない自分にイライラした。
結果、メンバーは広報や各自の呼びかけなどで30人ちょっと集まった。イベントに来たいと言ってくれる子はいても予定を合わせてくれるかは別問題であるということをこの時に学べた。誰かを巻き込んで何かをしようとするということはこんなにも大変で苦労するものなのかということも分かった。
全員が毎回の企画会議に出席することはやはり絶対無理で、人数が多く来る日に会議を設定しても毎回くるメンバーが違ってしまう。メンバーの中でも会議にいつも来てくれる子となかなか予定が合わなくて来られない子の差をどうしようかと他のインターン生や学生スタッフを含め話し合ったりした。
このイベントに関わり、学生サンタリーダーになって非常に大変だなと思うことが沢山あったのだが、その分多くの成長があったと思う。最初は自分がインターン生でありながら、来てくれる有志学生と同じサンタメンバーであるという二つの役割の面にどうしたらよいのか分からなかった。今まで、学生同士で話し合って会議することを経験したことがなかったし、今までに会議といって思い浮かべるのは文化祭で何をするかというような話合いや授業でちょっと行うグループワークのようなものであった。だから、サンタプロジェクトで、学生ブースの企画での話合いでみんなを集めて学生みんなで話合うのは新鮮だった。今までの学校の会議は黙っている子と意見を積極的に言う子の二つに分かれていて、結果、積極的な子の意見で決まったりしていたことが多かった。決め方というのも、テキパキ決めることが出来る人がまとめ役に選ばれていたりして私自身も会議=テキパキ決めた方が良いという風に解釈していた。
しかしサンタプロジェクトのリーダーとして、求められていたことはそうではなかった。横浜サンタプロジェクトはさっきも言ったように今回で6年目であるし、私がインターンをしているNPO法人的にも協力してくれている企業の人たちにも思い入れが非常にあるイベントであった。イベントで何をやるかという所も勿論大切であるが、どのようにしてイベントを作りあげていくかというところも非常に大切だったのである。来てくれた学生と一緒にイベントについてどこまで深く考えていくかということが何よりも大切だったのではないかなと思う。学生会議をしている最初のうちはそのことに気が付かず、会議が上手く進まないのは自分に会議を上手く進めるスキルが無いからだと落ち込んだり、人の意見を上手くまとめられないことに自信を無くしていたりした。
しかしあるとき、一緒に企画を作っているメンバーの一人の子が「思いやりをもって会議してみるというのはどうかな。思いやりはスキルじゃないよ」と声をかけてくれた。今まで会議をどう進めるかばかり気になってしまって肝心の来てくれている学生の子に目を向けることが出来ていなかった、ということがその時に分かった。では、自分なりにどうやったら出来るだろうということを考えるようになった。出来ないことは沢山あるのは分かった、ではどうしたら出来るか。自分は何が得意なのか。
初めて会議に参加したら不安を感じるし意見を言うのも躊躇するだろうなと思い、ひたすら来てくれるメンバーに話しかけてみたり会議の雰囲気が話しやすくなるにはどうしたらいいだろう、と頭をひねってみた。今まで、何か問題があると自分一人で解決しようと考えていたけれどそうではなく、こういうことがあるのだけどどうすればいいかなあとメンバーに相談を持ちかけてみたりした。そうすると、今まで黙っていた子が実はとってもいい考えを持っていることに気が付くことが出来たり、解決方法を真剣に考えてくれる仲間がいることに気が付いた。なかなか来られないメンバーの子には情報共有を丁寧にしたり、話がみんなの前で上手く言えない子には個人的なおしゃべりタイムの時にちょっと意見を聞いてみたり。リーダー気質の友達には当日、班のリーダーを任せてみたり。少しの雰囲気作りでかなりグループの雰囲気が変わるということがわかった。リーダーはみんなを纏めるものとばかり思っていたけれど、みんながこれやりたい!と思えるような環境作りを陰でする人もリーダーと呼ぶのだろうなとこの経験で知ることが出来た。


この経験をどう活かしていきたいか。

この活動をする上で、自分で決めたルールがあった。それは、“受け身にならない”ことである。受け身にならず積極的に自分で行動することを目標として頑張った。結果、活動に対して只の参加者としてだけではなく深くイベントに関わることが出来た。企画者としての辛さや苦しみは参加者で当日イベントに来ただけでは絶対に分からなかったことである。ただ意見をまとめるというだけではなく、どのようにしたらこの学生チームが良くなるかを必死に考えた二カ月間は私にとってとても大切な気づきを教えてくれた期間であると思う。自分で出来ないところは友達に手伝って貰ったり、今までは仕事を振ることが上手くできなかったのだが、この経験を通して仕事を誰かに振るということが出来るようになった。どうやったらこの活動にみんなを巻き込んでいけるかというところを深く考えた期間であった。インターンをする前までは出来なかったことが出来るようになったり、分からなかったことをひたすら考え自分なりの工夫をしてみたり一生懸命頑張ることが出来たと思う。この経験の中で教わったこと学んだことをまた次の活動場所や学校、職場などでも活かしていきたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿